2009年6月4日木曜日

ドメニコ・スカルラッティ

ドメニコ・スカルラッティ(Domenico Scarlatti, 1685年10月26日 - 1757年7月23日)は、イタリアのナポリ出身で、スペインのマドリードで没した作曲家。同年にJ.S.バッハ、ヘンデルのバロック時代の代表的作曲家が生まれているが、スカルラッティもその時代の鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家である。鍵盤楽器のための「ソナタ」と呼ばれる個性豊かな555曲の作品群で知られる。

作曲家のアレッサンドロ・スカルラッティは父親。


略歴

1685年10人兄弟の6番目の子としてナポリに生まれる。
1701年ナポリの教会付き作曲家兼オルガン奏者となる。
あるときローマでヘンデルとチェンバロおよびオルガンの腕前を競いあったという逸話が伝わっている。
1720年または1721年にリスボンに行きマリア・マグダレーナ・バルバラ王女に音楽を教える。
1729年マリア・バルバラがスペイン王家に嫁いだため、マドリードへ行く。ドメニコは25年ほどスペインに滞在し、5人の子どもをもうけた。
1757年マドリードで没す。彼の子孫一族は今日でもスペインで生活している。


作品

スカルラッティは鍵盤楽曲の作曲者として有名であるが、歌劇や宗教曲なども遺している。

スカルラッティの作品を整理する作品番号は4種類ある。 Pestelli 番号(P. と略する)、Longo 番号(L.)、Kirkpatrick 番号(K. または Kk.)、音楽学者で鍵盤楽器奏者のエミリア・ファディーニがつけたFadini番号(F.)であり、現在最も多く使われているのはラルフ・カークパトリックによる Kirkpatrick 番号である。


歌劇

王位回復したオッタヴィア(33曲のアリアのみ現存)
イレーネ(33曲のアリアのみ現存)
シーロのテティーデ(最後の4ページ消失)
ハムレット
捨てられたディドーネ


管弦楽曲

17のシンフォニア


鍵盤作品

555曲のソナタ
ソナタ イ長調(疑作?)
ソナタ イ長調
ソナタ ハ長調(疑作?)
ソナタ ニ長調(疑作?)
ソナタ ニ短調
ソナタ ホ長調(疑作?)


セレナータ

四季の口論(第2部消失)


オラトリオ

クリスマス・カンタータ


宗教作品

ミサ曲 ニ長調
ミサ曲 イ短調
4声のミサ曲 ト短調
テ・デウム
われ喜びに満てり


カンタータ

A chi nacque infelice
Che si peni in amore



校訂版

出版当初より、ロンゴの校訂はピアノのために恣意的すぎると批判がなされたため、ケネス・ギルバートがウジェル社より全鍵盤作品の校訂を発表。しかしながら、この校訂もエミリア・ファディーニによって再批判がなされ現在に至るが、ファディーニ版は30年以上にわたる校訂をもってしても2008年現在完結していない。